日本政策金融公庫の創業計画書とは?書き始める前に整理したいポイント

日本政策金融公庫の創業融資を検討する際に、準備することになる書類の一つが「創業計画書」です。

様式を見ると、創業の動機、これまでの経歴、商品・サービス、取引先、必要な資金、事業の見通しなど、複数の項目があります。

そのため、「まず書式を埋めなければ」と考えたくなるかもしれません。

しかし、創業計画書は、単に空欄を埋めて完成させるための書類ではありません。

書き始める前に、次の5点を整理しておくと、各欄の内容を一つの事業としてつなげやすくなります。

  • なぜこの事業を始めるのか
  • 誰に何を提供するのか
  • 売上をどう作るのか
  • どれだけ資金が必要なのか
  • 自己資金と借入をどう組み合わせるのか

この記事では、日本政策金融公庫の創業計画書にはどのような内容を書くのか、そして書き始める前に何を整理しておきたいのかを見ていきます。

創業計画書には何を書くのか

日本政策金融公庫の創業計画書では、これから始める事業について、創業の理由や経営者の経験、商品・サービス、取引関係、資金計画、収支の見通しなどを整理します。

2026年10月時点で確認できる日本政策金融公庫の創業計画書には、次の10項目があります。

  • 創業の動機
  • 経営者の略歴等
  • 取扱商品・サービス
  • 従業員
  • 取引先・取引関係等
  • 関連企業
  • お借入の状況
  • 必要な資金と調達方法
  • 事業の見通し(月平均)
  • 自由記述欄

各欄は互いに関係しているため、全体のつながりを意識して整理していくことが大切です。ここでは、記事の中心テーマに関係する項目を簡潔に見ていきます。

創業の動機

どのような目的や背景から事業を始めるのかを記載します。

経営者の略歴等

勤務先名だけでなく、担当業務や役職、身につけた技能なども記載します。

取扱商品・サービス

提供内容に加えて、売上シェア、セールスポイント、販売ターゲット・販売戦略、競合や市場などを整理します。

取引先・取引関係等

販売先・仕入先・外注先や、掛取引の割合、回収・支払いの条件などを整理します。

必要な資金と調達方法

必要な資金を設備資金と運転資金に分け、自己資金、日本政策金融公庫からの借入、他の金融機関等からの借入など、どのように資金を準備するのかを整理します。

事業の見通し(月平均)

創業当初と軌道に乗った後について、売上高、売上原価、経費、利益と、その計算根拠を整理します。

創業計画書の様式や記載項目は変更される場合があります。実際に作成する際は、日本政策金融公庫の公式サイトで最新の様式をご確認ください。

参考資料|日本政策金融公庫

創業計画書は何のための書類か

創業計画書は、事業についての情報を項目ごとに記入するだけの書類ではありません。

事業内容、これまでの経験、必要な資金、売上の見通しなどを整理し、これから始める事業を一つの説明として組み立てるための書類と捉えると分かりやすくなります。

それぞれの欄を個別に完成させるのではなく、全体として内容がつながっているかを確認することが大切です。日本政策金融公庫のセルフチェックリストでも、最後に「全体を通して、整理されているか」を見直す項目があります。

書き始める前に整理しておきたいこと

創業計画書へ書き込む前に、まず次の5点を言葉にしてみます。

1.なぜこの事業を始めるのか

事業を始めようと思った理由を整理します。

その際、これまでの経験、その経験から持った問題意識、なぜ今この事業を始めるのかまで考えると、創業の動機と経歴をつなげやすくなります。

2.誰に何を提供するのか

商品名やサービス名だけでなく、「誰の、どのような課題に対して、何を提供するのか」まで具体化します。

価格、販売方法、他の商品・サービスとの違いなども整理すると、売上の作り方を考えやすくなります。

3.売上をどう作るのか

「月商100万円を目指す」といった目標だけでは、売上の根拠までは分かりません。

たとえば、1件あたりの単価、1か月の顧客数、購入や利用の頻度、稼働日数などへ分解すると、その数字がどのように作られているのかが見えやすくなります。

売上の数字は、希望する金額ではなく、どのような前提を積み上げた数字なのかを説明できる状態にしておくことが大切です。

4.どれだけ資金が必要なのか

事業を始めるために必要な支出を整理します。

日本政策金融公庫の創業計画書では、必要な資金を設備資金と運転資金に分けて記載します。設備資金では店舗・工場の設備、機械、車両など、運転資金では仕入れ、家賃、人件費など、事業の運営に必要な支出を整理し、可能な範囲で見積りや相場などの根拠を確認していきます。

5.自己資金と借入希望額をどう組み合わせるのか

必要な資金が分かったら、その資金をどのように準備するのかを整理します。

自己資金をどの程度使うのか、借入をどの程度希望するのかを確認します。必要資金、調達方法、売上・利益、返済という数字のつながりも見えやすくなります。

各欄を個別に埋めるだけでは足りない理由

創業計画書で難しいのは、一つひとつの欄を書くことよりも、欄と欄の内容をつなげることです。

たとえば、長年ITエンジニアとして働いてきた方が、新しくITコンサルティング事業を始めるとします。

  • これまでIT分野で経験を積んできた。
  • その経験を背景に、自分の専門性を生かした事業を始めようと考えた。
  • 企業のIT課題を支援するサービスを提供する。
  • そのサービスを必要とする顧客を想定する。
  • 価格と想定件数から売上を考える。
  • その事業を始めるために必要な資金を整理する。

このように、経歴 → 創業の動機 → 商品・サービス → 顧客 → 売上 → 必要資金がつながっていきます。

反対に、経歴では一つの強みを書き、商品・サービスではその強みと関係の薄い事業を書き、売上計画ではさらに別の前提を置く、という状態では、事業全体を説明しにくくなります。

創業計画書を書くときには、一つひとつの欄が埋まっているかだけではなく、全体として一つの事業の説明になっているかを確認することが重要です。

事業内容や数字のつながりを自分だけで整理しにくい場合は、Sixxの創業融資支援でどのような整理を行っているかも確認できます。

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面談まで見据えて整理する

日本政策金融公庫では、面談の際に、資金の使いみちや事業計画などについて話を聞くと案内しています。

そのため、創業計画書に書いた内容は、書類上で整っているだけでなく、自分の言葉でも説明できるように整理しておくとよいでしょう。

特に売上や必要資金などの数字については、「この数字はどのような前提から出てきたのか」を確認しておくことが、事業計画そのものの見直しにもつながります。

日本政策金融公庫「創業予定の方(お手続きの流れ)」

自分で整理が難しい場合の考え方

創業計画書は、文章力があれば書き上がる、というものでもありません。

むしろ難しいのは、頭の中にある経験、アイデア、数字を、一つの事業としてつなげることです。

テンプレートや記入例を参考にして書き始めても、次のようなところで手が止まることがあります。

  • 自分の経験をどこまで書けばよいのか
  • 商品の説明と売上計画がつながらない
  • 必要資金の根拠をうまく説明できない
  • 書いた内容に矛盾がないか分からない

そのような場合は、書類の代筆だけを考えるのではなく、事業そのものを整理し、それを金融機関へ説明できる形へ組み立てるという視点で考える方法があります。

Sixxでは、創業する方の経験、事業内容、資金計画などを整理し、日本政策金融公庫へ提出する創業計画書を中心とした資料へ組み立てていく支援を行っています。

なお、創業融資の審査結果を保証するサービスではありません。

まとめ|創業計画書は「書く前の整理」から始まる

創業計画書には、創業の動機、経歴、商品・サービス、取引関係、必要資金、資金調達、事業の見通しなど、事業を考えるうえで重要な情報を整理していきます。

だからこそ、最初から一つずつ欄を埋めていくよりも、次の5点を先に整理しておくと、創業計画書全体を組み立てやすくなります。

  • なぜこの事業を始めるのか
  • 誰に何を提供するのか
  • 売上をどう作るのか
  • どれだけ資金が必要なのか
  • 自己資金と借入をどう組み合わせるのか

大切なのは、うまい文章を書くことよりも、事業の内容と数字が一つの説明としてつながっていることです。

創業計画書を書き始めたものの、事業内容や数字をどのように整理すればよいか迷っている場合は、Sixxの支援内容や料金をご確認ください。

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※本記事は、日本政策金融公庫が公開している創業計画書、記入例、セルフチェックリスト等を参照し、Sixxが独自に解説したものです。日本政策金融公庫の公式見解を示すものではありません。様式・手続・制度等は変更される場合がありますので、実際に作成・申込を行う際は、日本政策金融公庫の公式サイトで最新情報をご確認ください。

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